保存料を使わず、賞味期間が最大90日という日持ちするパンが注目されている。食品ロス削減や災害時などの備蓄食料として活躍し、パン業界で異彩を放つ。

(写真=上野 英和)
保存料なしで賞味期間が35~90日──。ロングライフパンと呼ばれる賞味期間が長いパンは、非常時の備蓄食料や食品ロス削減、ステイホームの観点から注目が高まっている。
コモは1984年に愛知県で設立して以来、ロングライフパンを専門に作り続けているパンメーカーだ。生活協同組合連合会(生協)での販売が約4割、職域や学校、駅などにある自動販売機が約2割を占める。コンビニやスーパーにも販路を広げ、着実に売り上げを伸ばしている。
ロングライフパンの秘密は、パン生地に使うパネトーネ種。創業者の一人がイタリアのパンメーカーでパネトーネ種に出合い、乳酸菌を含み、健康によく日持ちもするという特性に感動し、日本に広めることを決意した。
特徴の一つは製造時間が長いことだ。パンの発酵時間は通常約1時間だが、パネトーネ種を使うと約10時間かかる。仕込み時間も含めると、完成までに3日かかる。
一方で、このパンには防カビ・防腐効果がある。一般的なパンの水分含有量は35~38%だが、コモのパンは20%と非常に低い。そのため微生物が発生しにくい。また、通常水分が少ないとパサパサした食感になるが、コモは生地を幾層にも折り重ね、無数の薄い膜が保水性に優れているため、生地の柔らかさを保っている。
自社の棚を持ち込んで販売
「商品には自信があったが、売り場を確保するには苦労した」。そう語るのは3代目社長の木下克己氏だ。もともと銀行員だった木下氏は経理として出向してきたが、後に転職を決めた。
高まる認知度

ステイホームや食品ロスへの意識、災害支援などが追い風に。「大手メーカーに負けない味で勝負する」と語る木下克己社長(写真=上野 英和)
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