
「胃腸の不調の原因の多くは、小麦と言ってもいいと考えています。とくに『朝のパン』は体に悪い。 第一の理由は、パンは消化が悪い食べ物だからです。胃液の主な成分はタンパク分解酵素。意外に思われるかもしれませんが、肉や魚などのタンパク質に比べて、炭水化物であるパンのほうが分解・消化されにくいということを臨床経験のなかで私は実感しています。炭水化物の消化には5時間から10時間かかるとされています。 実際に、激しい胃痛を訴える患者さんが『5時間前に寿司を食べた』というので寄生虫のアニサキスによる食中毒を疑って内視鏡検査を行なったところ、胃の中の寿司ネタはすべて消化されていて、見事にシャリだけが残っていました。 パンも同じで、カツサンドやフルーツサンドを食べた場合、カツやフルーツは消化され、パンだけが残った状態になっています」(福島氏)
作業の効率が下がる
同じ炭水化物ではあるが、米よりもパンのほうが悪影響が懸念されると福島氏は話す。 「米とパンの大きな違いは、グルテンを含んでいるかどうかです。グルテンを含んでいる分、パンは消化が悪く、胃への負担が大きい」 グルテンとは、小麦粉に水を加えてこねた時に、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2つのタンパク質が絡み合ってできるもの。パンのもちもち感や粘り気はグルテンによるもので、こねればこねるほどグルテンが増えていく。もちもちふわふわの食パンは、それだけグルテンが多いということだ。 さらに福島氏は、パンが「血糖値を上げすぎる」ことも問題だと話す。
「朝にパンを食べると、血糖値が150~200(mg/dl)ぐらいにまで上がります。上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されますが、この時に眠気が生じて、作業効率や学習に支障が生じてしまう。さらにその後、『血糖値が下がった』という情報が脳に伝達され、脳はもう一度血糖値を上げるような食材を欲するようになる。 とくに小麦の場合、消化されるとエクソルフィンというモルヒネに似た構造式の成分が生成され、脳のモルヒネ受容体と結合することで依存性が生じると考えられています。つまり、小麦の摂取がやめられなくなってしまうのです」(同前) 福島氏は、“朝のパン”が引き金となって、小麦に依存する食生活となってしまうことを懸念する。 「朝にパンを食べると、昼も夜もパスタやうどんを欲するようになる。糖質が糖質を呼ぶ“糖質過多”のサイクルに入ってしまうんです。しかも、小麦は食欲を増進させる食材で、胃の満腹中枢が麻痺していくため、どんどん食べることができてしまう」(同前)
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