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Wednesday, July 29, 2020

懐かしい味、人気に火 老舗給食パン工場が初の直売 | 話題 - カナロコ(神奈川新聞)

工場の前で接客に追われる、大和久社長(右から4人目)や歩由さん(同3人目)ら=川崎市多摩区
工場の前で接客に追われる、大和久社長(右から4人目)や歩由さん(同3人目)ら=川崎市多摩区

 川崎市多摩区にある老舗パン工場「富士ベーカリー」が3月から始めた直売が、人気を呼んでいる。1949年の創業以来、3代にわたって学校給食用のパンを製造してきたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校で、売り上げがゼロに。危機感から初めて直売したところ、どこか懐かしい味が評判を呼び、工場前には連日、行列ができている。大和久弘貴社長(33)は「ここまで売れるとは思っていなかった」と喜ぶ。

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 16日午前11時ごろ。工場の前には、20人ほどが列を作っていた。長テーブルを置き、大和久社長と妻の歩由(あゆ)さん(33)、従業員2人が商品の袋詰めや会計に追われていた。

 メニューボードには、給食でおなじみのコッペパンのほか、あんパン、カレーパンなどとある。「最新の設備があるわけではない。だからうちは、バゲットやクロワッサンなど小じゃれたものはできません」。大和久社長はそう言って笑う。

 客が買い求めるのは、懐かしさだ。5、6回は購入しているという40代の主婦は、きな粉揚げパンがお気に入り。「昔懐かしい商品があって、ついつい来てしまう」とはにかむ。「子どもの頃に給食で食べていた味に再会できた」と感動の面持ちで話す客もいたという。

 富士ベーカリーは戦後間もなく、大和久社長の祖父が創業した。現在は市内の学校26校に給食用を納品するなどしている。大和久社長は2017年1月、亡くなった父の後を継ぎ、社長に就いた。

 新型コロナウイルスはいや応なく、老舗工場にも影を落とした。3月から全国一斉に臨時休校となり、製造中止に追い込まれた。それでも当初は「4月になれば、給食も再開するだろう。2週間程度の辛抱だ」と楽観視していた。だが休校が長期化。従業員8人に給料も支払わなければならず、危機感が募った。ここ最近、米飯給食の割合が増え、直売が頭の片隅に浮かぶようにもなっていた。創業以来初めて、一般客向けに販売することを決断した。

 ただ、ノウハウは何もない。工場に看板はなく、何を製造しているのか知らない周辺住民もいた。直売用に配合を変えて味を調整。枝豆入りのチーズパンなど新たな商品も開発した。広告は主に歩由さんが担当し、チラシを手作りして近隣のカフェに置かせてもらったり、写真共有アプリ「インスタグラム」に商品を上げたりした。

 不安を抱えたまま、迎えた初日。用意した約600個のパンは全て売り切れた。大和久社長は「物珍しさと、以前から食べてみたいと思っていた人が多かったのでは」と振り返る。

 歩由さんは「直売はお客さんの顔が見えて、感想ももらえる」と手応えを口にする。6月中旬から給食は再開されたが、大和久社長は「わざわざ買いに来てくれる地域のお客さんのためにも、直売を続けていきたい」と話している。

 7月の休業日は毎週金、土曜日。詳細は工場のインスタグラムで。問い合わせは工場電話044(911)2211。

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