「週刊東洋経済」1970年2月28号の「そこが聞きたい」
ダイエーの創業者、中内功氏(1922 ‐ 2005)の全盛期における単独インタビューをお届けする。「いまでは10万円も高級品ではなく大衆品」「商業は国際的にも資本の移動が非常に激しく常に競争にさらされているということがいえますから、寡占化はありません」など印象的なセリフが並ぶ。
国内連合で外資に対抗
予定どおり進める出店計画
本誌 主婦の店ダイエーはレインボー作戦として、一昨年来、東京進出を開始していますが、それはいまどの程度進んでいるのですか。
中内 うちは、すでに関西で強力な地盤ができていますが、やはりナショナル・チェーンとなるためには、首都圏に進出する必要があります。また、繊維関係では関西が地盤ですが、食料品などについても、うちが大きな発言権を持つためには、どうしても首都圏へ出てこないことにはダメです。
そこで、昨年は原町田、赤羽と大型店を2つつくりましたが、今後もレインボー型に出店していく計画です。
本誌 今年の出店計画としては、だいたい何店ぐらいを考えているわけですか。
中内 全国で約250億円をかけて33店考えています。昨年の3倍と大きく増えますが、そのうち小さいのが13店、20店は標準店舗(大型店)です。すでに決まっている八王子、立川など8店ぐらいが東京になるでしょう。土地の買収がありますので、どことはいえませんが、20店の大型店では、食料品より耐久消費財、もしくは雑貨、衣料品を主体にしますが、一方、食料品や日用品を中心にしたスーパー・マーケットという小さい店を、その周囲に衛星的につくるということを考えています。これは現在、東京ではまだ実行には移しておりませんが、京阪神では芦屋を皮切りに、スーパー・マーケットを13店つくるということを考えているわけです。東京での小売店というのは、来年以降の問題になりますね。
本誌 東京へ店を出されて、予期していたことと結果を比較してどうですか。
中内 われわれは、自分の持っている商品を東京で売るために、また関西で売るために、九州で売るために店をつくっているわけですし、計画的にやっておりますから、予定どおりということです。
本誌 東京進出について、計画の中に東京的な特色を織り込んだというようなことは……。
中内 全然、ありません。新幹線なら3時間ちょっとのようなところに、地域差はないと考えています。チェーン・ストアというのは、地域差を認めないんです。大量仕入れ、大量販売というスタイルですから、そういう地域差があるものは、反対に扱わない。
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January 31, 2020 at 05:00AM
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ダイエー中内功社長の拡大意欲は凄まじかった | 1970年2月28号で語った「東京進出作戦」 - 週刊東洋経済プラス
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