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Tuesday, June 2, 2020

インバウンド9割減の現実 人通り消え、端から端まで見通せる商店街 - SankeiBiz

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は解除されたが、かつて訪日外国人客(インバウンド)でにぎわった商店街は苦境のままだ。入国制限の影響をまともに受けたことに加え、インバウンドに頼らない地域密着型の商店街でも休業や営業時間の短縮が重くのしかかった。当面は新型コロナと共生せざるを得ない状況が続くため、影響の長期化は避けられそうにない。(山本考志)

 呼び込み、セール控え

 外国人に人気の観光地、大阪・ミナミの戎橋筋商店街(大阪市中央区)。関西国際空港からのアクセスが良いこの商店街では年中、昼夜を問わずインバウンドでにぎわっていた。

 しかし、新型コロナの世界的な感染拡大を受け、政府は1月31日以降、日本への入国制限を拡大。中国や韓国、米国など約100カ国・地域からの入国を拒否しており、国内からインバウンドが消えた。

 ドラッグストアやファッションビルなど、インバウンドの需要に対応していた店は売り上げが激減。ゴールデンウイークは書き入れ時だったが、人が集まるリスクを避けるために食料品店など生活必需品を売る店舗を除き、約6割の店が休業に踏み切った。

 緊急事態宣言の解除で夜間の人通りは戻り始めているが、復調にはまだほど遠い。同商店街振興組合の菊地正吾理事長は「感染予防の観点から買い物客の呼び込みやタイムセールは控えている。慎重になりながらも、できる限りのことをやっていきたい」と語った。

 家賃重く店たたむ人も

 大阪市中央区の商店街「黒門市場」もインバウンド消失の影響をまともに受けている。ほぼすべての店が営業形態などから府の休業要請の対象にあたらないが、客足が見込めないためゴールデンウイーク中は7割が自主的にシャッターを下ろした。人通りは消え、南北約500メートルの端から端までを見通せるほどになった。

 海外のガイドブックで観光スポットとして紹介され、近年は平日の約3万人の人通りのうち9割がインバウンドという状況に。店先に並んだ刺し身や焼きガニ、フルーツなどを求める客であふれかえっていた。

 食料品店や日用品店、スーパーなどおよそ800店が軒を連ねる地域密着型の天神橋筋商店街(大阪市北区)も、ミナミの商店街に比べれば人通りは残ったものの、飲食店などを中心に打撃は大きい。

 同商店街振興組合によると、これまで2~3割程度の店舗が休業し、一部で再開に向けた動きが出始めたが、休業中の家賃などの負担が大きく、店をたたむ店主もいるという。

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