
小麦のパン用品種の作付けが伸びている。栽培のネックだった収穫期の雨に強い品種が続々登場し、本州以南で栽培が拡大。主産地の一つ佐賀県は2022年産でパン用の「はる風ふわり」を1000ヘクタールに作付けする。前年比2・5倍に増やす計画だ。東北や東海でもパン用品種の作付けが進む。輸入小麦価格が高騰する中、国産シフトへの期待が高まる。
20年のパン・中華麺用小麦の全国作付面積は約5万ヘクタールで、10年の2万ヘクタールから2・5倍に増えた。他用途向け小麦や大麦からの転換だ。農水省穀物課の調べでは全国の小麦作付面積は横ばいだが、パン・中華麺用品種の割合が年々上昇し、20年は23%に達した。 佐賀県では「はる風ふわり」の普及が加速する。農研機構が開発し、穂発芽に強い特徴を持つ。穂発芽は収穫期の雨で生じ品質低下につながる。21年は九州北部で梅雨入りが平年より20日早く穂発芽が生じやすい条件だったが、同品種は品質が低下しなかった。 JAさがは「はる風ふわり」を推進。佐賀市の西与賀地区は21年、共同乾燥施設の組合員約120人で同品種を52ヘクタール栽培。22年は95ヘクタールに拡大する予定だ。組合長の小柳敬之輔さん(62)は「米の消費が減る中で県産小麦のパンが増えればうれしい」と期待。パン用品種は収入の高さも魅力だ。国の交付金は60キロ当たり8810円で、普通小麦の6510円より2300円高い(1等Aランク)。 製粉会社も商品開発に力を入れる。理研農産化工(福岡市)は佐賀県産小麦100%の小麦粉「九州佐賀産こむぎ子」を開発。7月から県内で発売し、10月から全国発売を予定する。
追肥など栽培管理が鍵
愛知県では穂発芽耐性を持つ「ゆめあかり」が広がる。22年産は前年より27%増えて1600ヘクタールを予定。県は「県内で広く普及した初めてのパン・中華麺用品種」とする。 宮城県では穂発芽耐性のある「夏黄金」が400ヘクタールに普及した。新潟県でも農研機構が砂丘畑地でのパン用小麦栽培マニュアルを開発。小麦栽培が難しかった東北や北陸で、同品種などの拡大を狙う。 麦の生産消費動向に詳しい千葉大学の吉田行郷教授は「梅雨が早まっているので、穂発芽に強い品種は全国的に重要だ。パン用小麦は、タンパク質含有率の高さが大切で、追肥などの栽培管理が鍵」と指摘する。
日本農業新聞
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