高校の購買コーナーを手掛ける岐阜市祈年町のパン製造・販売会社「武蔵屋パン」が、高校向けの菓子パンや総菜パンを、自社工場前で売り始めた。元はといえば、コロナ禍による学校休校、オンライン授業で売り上げが激減したことに対応する窮余の策だったが、高校時代の味を懐かしむ客らが口コミで足を運び、人気を呼んでいる。
コロナ禍前には、メインである岐阜、西濃、中濃地区の計16校でパンや弁当の購買を担当していた。感染拡大で夏休み明けの高校はオンライン授業となったことを受け、売り上げの少なかった4校では販売を取りやめた。少子化やコンビニ人気で元々売り上げは減少傾向にあり、従業員から「一般の人にも売ってはどうか」と提案があったという。
工場前には往年の人気であるシナモン、アルミホイルで包んだ銀チョコ、コルネなどが並ぶ。食パンは市価の半額ほどと低めの価格設定だ。月~金曜日、午後2時から4時間のみの営業だが、西濃や中濃地域から足を運ぶ客もいる。各務原高校出身の息子が帰省中という岐阜市内の女性(47)は「あのパンが食べたいと、息子からのリクエストで寄った。自分もこのパンのファンです」と買い物かごにたくさん詰めていた。
同社によると、工場前での売り上げは、販売を取りやめた学校分を十分に上回る日もあるという。高校生の子どもがいるという社長の池田和繁さん(54)は「『懐かしい』と買い求めに来てくれると、この仕事をやっていてよかったなあとしみじみと思う。ピンチがチャンスになるとはまさにこのこと」と手応えを感じている様子だった。
からの記事と詳細 ( シナモン、銀チョコ…パン懐かしの味、口コミで人気に 岐阜市の工場前で販売 - 岐阜新聞 )
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