パンが眠る石見銀山「大久保間歩」へ
ドイツ発のクリスマス定番のパン菓子「シュトーレン」。ドライフルーツや大田市大森産のユズを練り込み、しっとりと仕上げた。 手がけたのは、本場ドイツで修行し大田市大森町でベーカリーを経営する日高晃作さん。 今回、パンを熟成するために選んだ意外な場所に同行した。長靴にダウンジャケット、防寒対策をしてスタッフが集合。 ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: きょうは、シュトーレンというクリスマスのドイツの発酵菓子を取り出しに行く 日高さんが乗り込んだ車は険しい道を進んでいく。車を降りさらに約10分、山道を登っていった。すると... ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: 見えてきました。大久保間歩の入り口です
坑道で熟成させる2つの理由
世界遺産、石見銀山。戦国時代から江戸時代初期に栄え、最盛期には日本が世界の3分の1を産出、多くを石見銀が占めたという。その坑道跡が900以上あり、現在2つが公開されている。 到着した大久保間歩は、全長900メートルと石見銀山最大級。 熟成場所として、間歩を選んだ理由は? ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: ドイツ語でシュトーレンは「坑道」という意味もある。ドイツでも炭鉱の跡で寝かせているお店もあって、やってみたいと思った 大久保間歩は冬季休業中だが、今回特別に中に入らせてもらった。 ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: きょうは明るいですね、照明が明るい 坑道を進んでいくと、天井には冬眠中のコウモリたちがいた。 ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: コウモリと一緒に眠っています そして、入り口から約200m。ついにシュトーレンを見つけた。 ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: おお、これです! 2021年9月から熟成させていた約100個と、3カ月ぶりのご対面となった。 ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: 見た感じでは、いい感じになっていると思う 間歩の気温は12℃、湿度は50%。湿度から守るためしっかりと密閉している。間歩の利点とは? ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: だいたい年間を通して温度は一定。ワインも13℃とか14℃、寝かせておいしくなるものを保管するのにちょうどいい 日高さんは市や管理団体と協議を重ね、7年かけて実証実験という形でついに実現させた。 ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ 日高晃作さん: 世界遺産で寝かせることで、少しでも歴史や場所へ思いをはせてもらったら、また違った味わいが加わるかなと思う
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