店長ら店の幹部3人が外国籍の社員、スタッフは全員女性というパン店が大阪市内にオープンした。中華料理チェーン「大阪王将」などのフランチャイズ店も手がける「ヒロフードサービス」(同市東淀川区)が運営するが、外国人社員が中心になって開店にこぎつけた。外国人労働者のやりがいを追求した取り組みとして注目されそうだ。
オープンしたのはパン店「ヒロズベーカリー」(同区)。ヒロフードサービスが運営する大阪王将江口橋店に併設して昨年11月にオープンした。売りは高級食パンと、大阪の果物にこだわったフルーツサンド。店舗面積は約25平方メートルとこぢんまりしているが、販売スペースから調理場で作業する様子が見え、ショーケースには出来上がったばかりのパンが並ぶ。
スタッフはアルバイトを含め全員女性の約15人。店長でベトナム人のダン・ティー・トゥアさん(28)ら店舗幹部の3人は全員、ヒロフードサービスの正社員で外国籍だ。コロナ禍で飲食店の売り上げが厳しいなか、新たな収益の柱をつくろうと3人で昨年5月から構想を練ってきた。
そのなかで、インスタ映えするなどとして女性に人気が高まっているフルーツサンドを目玉商品とした店舗を思いついたという。パン職人からパンづくりを教わり、研鑽(けんさん)を積んだという。
人気の食パンは、ほんのり甘く、もちもちとした食感が特徴。フルーツサンドも、季節の果物とケーキ店仕込みの生クリームをたっぷり盛り込んだ。イタリアの伝統スイーツ「マリトッツォ」も好評で、スタッフによる商品開発も進んでいるという。
ヒロフードサービス社長の井上泰弘さん(57)は「実際に店舗で働いているスタッフを見てもらうと、『外国人ってすごいな』とわかってもらえる。外国人労働者が日本で働きやすい事例をつくることが大切だと思っています」と力を込める。
かつて井上さんはベトナムなどで現地調査を行い、日本での就労を希望した優秀な人材が就職できなかったり、実際に日本で働き始めても適正な雇用でなかったりすることが気になっていたという。
同社は「外国人雇用事業部」という部署も設けるなど外国人雇用を積極化。現在、外国人社員が8割を占めている。他にも奈良県でミャンマー人が店長のピザ店を出店するなど、外国人の店長起用が増えている。
ヒロズベーカリーのダン・ティー・トゥアさんは「パンづくりは初めてでしたが、毎日楽しく働いています。お客さまにおいしいと言ってもらえるのが一番うれしい」と流暢(りゅうちょう)な日本語で話す。
また、同店に隣接して外国人の研修センターも開設する予定。問い合わせは同店(06・4862・8129)。
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