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Saturday, December 7, 2019

歯科医が“口育て”パン考案 かむ力鍛える歯ごたえ - 大阪日日新聞 - 大阪日日新聞

大阪ニュース

2019年12月8日

 小児歯科診療をはじめ、乳幼児の口腔(こうくう)セミナーなど独自の活動にも力を注ぐ歯科医の尾形愛さん(48)=大阪市=が、歯並びなど口腔機能を高めるパンを考案した。歯ごたえしっかりの生地には、アーモンドやクランベリー、レーズン、ホワイトチョコ、レモンピールが練り込まれ、風味豊か。尾形さんは「口の機能と五味五感を育てるパン。しっかりかんで、味も香りも感じてほしい」と、パンでの“口育て”を推奨する。

「かむ大切さを気付いてもらう一つのツールにしてほしい」と、パンを考案した歯科医の尾形さん
歯の形を模した「ブランジェ 食べて幸せになるもぐもぐパン」

 商品名は「ブランジェ 食べて幸せになるもぐもぐパン」。パン製造卸の「リバーフィールド」(摂津市)と共同開発し、11月8日の「いい歯の日」に販売した。

■顎が未発達

 定期検診や保護者の意識変化により、虫歯のある子どもの数は、1970年をピークに急激に下降している。文部科学省の「学校保健統計調査」(2018年度)によると、処置完了者を含む虫歯保有者は小学校で45・30%で、10年前の63・79%から大幅に減少。中学(35・41%)と高校(45・36%)では過去最低だった。

 しかし一方で、柔らかい食材が好まれる食生活や生活環境の変化を背景に、顎が未発達で歯の矯正が必要になる子どもが増えている。「虫歯は減っているが、今の子たちはかむ力がなく、口が育っていない」。それが、小児歯科に20年以上携わってきた尾形さんの実感だ。

 歯並びは見た目のコンプレックスや虫歯、歯周病につながり、その後の体全体の成長にも影響を与える。「口の状態は結果的に、健康寿命を伸ばすことになる」と尾形さん。

 2014年に一般社団法人「HEALTHY ORAL PROJECTHE」を立ち上げ、妊娠中の女性から乳幼児、高齢者への歯科予防の啓発活動を行う中、「かむ大切さを気付いてもらう一つのツール」として、パンの開発に至った。

■味覚育てる

 昨年から試作を繰り返した「もぐもぐパン」。食感とともにこだわったのが、味覚だ。「しっかりかまないと味は感じられない」と、ナッツやレーズンの甘みや渋み、クランベリーの甘酸っぱさを入れた。チョコレートの甘さは、子どもにとってラッキーポイントのように食べる楽しさも考慮した。

 「子どもの口を育てることが次世代につながっていく。パンがそのきっかけになってほしい」と話す。

 パンは1個190円(税抜き)。今後は、毎月8日にスーパー「ラッキー」「パントリー」各店舗などで販売される。

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