毎日の暮らしをちょっと幸せにしてくれるおいしいパン。「絶品パンさんぽ」は、「365日、パンのことで頭がいっぱい!」というライター・斎藤若菜さんが、地元の人に愛されるとっておきのベーカリーをめぐる連載です。第5回は世田谷線沿線のパン屋へ。中編となる今回は、松陰神社駅近くにあるベーカリーを訪ねました。
前編はこちら:【世田谷線パンさんぽ】「ラ・ブランジェ・ナイーフ」と「ピーターセン」へ
松陰神社駅ってどんなところ?
松陰神社駅は、三軒茶屋駅から東急世田谷線で3駅の立地。その名の通り、「松陰神社」の最寄り駅として知られています。松陰神社と駅前から神社まで続く「松陰神社通り商店街」では、幕末の衣装を身にまとった人々が歩く奇兵隊パレードが有名な「幕末維新祭り」が開催され、毎年多くの人で賑わいます(2020年は開催中止)。
松陰神社駅のホームに立った瞬間、焼き立てパンの香りが漂ってきました。それもそのはず、駅の目の前に「ニコラス精養堂」、そしてこれから向かう「ブーランジェリー スドウ」があるという、パン好きには最高の立地なのです。自然と期待に胸が高鳴ります。
開店前から行列のできる「ブーランジェリー スドウ (Bopangerie Sudo)」
まずは、松陰神社駅を出てすぐ、線路沿いにある「ブーランジェリー スドウ」へ。平日にもかかわらず、開店前からパンを求める人が集まっていました。
見た目が美しく、口どけの良いパンづくりにこだわり
オーナーシェフの須藤さんは、調理や製菓の専門学校を卒業後、「メゾン・ド・プティ・フール」や「ブーランジェリーブルディガラ」、そして奥さまも修業をしていた「ペルティエ」「タイユバン・ロブション」「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」といった名店で修業を積んだ後、2009年に同店をオープンしました。夫婦の名字を冠した店名は、「シンプルで覚えてもらいやすい名前にしたい」と考えて名付けたそうです。
パンに関するさまざまなコンテストで優勝した経歴も持つ、須藤さんが作るパンの特徴は、「おいしそうなビジュアルと、口どけの良さ」。フルーツをたっぷりとのせたデニッシュ系のパンや、表面はパリッと、口に含めばバターとはちみつがジュワッと広がる人気商品「ハニートースト」など、目で見て、味わって楽しめるパンが並んでいます。
大人気の食パンは、1ヶ月前に予約を!
「ブーランジェリー スドウ」を代表するパンのひとつが、角食の「世田谷食パン」と、山型の「世田山食パン」。どちらも、水分含有量が高く、ホップ種の自家製天然酵母を使用した生地を使用。滑らかな口どけの食パンに仕上げています。食パン型のフタをして焼き上げる「世田谷食パン」はややもっちりとした食感に、フタをせずに焼く「世田山食パン」は生地が縦に伸びるため、ふんわりと焼き上がります。
大人気の食パンを手に入れるには、毎週1回(月曜、もしくは火曜)の予約受付日に電話で事前予約が必要です。予約受付日は店頭の掲示、もしくは公式のFacebookやInstagramを確認してください。1ヶ月後の受け取り予約が基本です。
クロワッサンやハニートースト目当てなら、早めに来店がおすすめ
「ブーランジェリー スドウ」ではパンの種類によってさまざまな粉を使い分けていますが、いずれも新しい粉を使うことを心がけているとのこと。りんごやじゃがいも、米麹を主原料とする「ホップ種」や、レーズンでつくる「ぶどう種」、小麦由来の「ルヴァン種」といった自家製天然酵母で発酵させています。
同店では時間帯により、販売しているパンのラインナップが異なります。例えば、予約でほとんど完売してしまう食パンは、朝9時50分と夕方17時50分に、合計80斤焼き上げます。クロワッサンは開店して間もなく完売してしまいますし、ハニートーストは1人につき5点までの販売に限定していますが、それでも午前中に完売してしまうとのこと。
そのほか、甘いパンは午前中に数多く並び、12:30からは総菜系のパンが充実。16:00からは、フランスパンのバゲットサンドを販売しています。中でもピーナツ、あんバター、チョコバター、明太フランスが人気を集めているそうです。今回は開店時間に合わせての訪問でしたが「時間を変えて何度も訪ねてみたい」と思わずにはいられませんでした。
ブーランジェリー スドウ
住所:東京都世田谷区世田谷4-3-14
営業時間: 10:00~19:00
定休日: 日曜・月曜・火曜(不定休)
公式HP:https://ift.tt/3d8SDjZ
Instagram:https://ift.tt/2W7TtGD
松陰神社前にメルヘンな世界が広がる「ふぁんぱん」
2019年5月にオープンした「ふぁんぱん」は、松陰神社の真向いにあります。松陰神社に隣接する「若林公園」は、子どもの遊び場としてぴったり。散策ついでに立ち寄りやすい立地です。
食べておいしいだけでなく「楽しめる」パン屋に
オーナーの藤田さんは、品川のベーカリーで10年ほど修業を積んだ後、独立しました。「ふぁんぱん」という店名の由来は、「FUN=楽しい」。「食べるだけでなく、楽しんでほしい」という思いが込められています。
メルヘンな世界観の内外装も、パンを買うひとときを楽しんでほしいという思いから。店内には絵本をディスプレイしたスペースもあり、ベビーカーを押して来店するママや、小さな子ども連れの家族が日々来店しています。
小ぶりなサイズで手頃な価格に。焼き立てのパンを買う楽しみ
「ふぁんぱん」のパンは、パンの種類に合わせて国内外の小麦粉を使い分け、食パンなど一部のパンには天然酵母を使用しています。中でもおすすめは、やわらかい食感のフランスパン「豆乳フランス」と、同じ生地を使い、紅茶とホワイトチョコを練り込んだ「紅茶フランス」。牛乳や卵を使用していないことも特徴です。
できるだけ手頃な価格で販売するため、小さなパンは80円前後、通常のパンも200円程度で販売。商品が一番多く揃っているのは11:00頃ですが、7:00のオープン時からパンを焼き続け、常に焼き立てのパンがある状態を維持しているそうです。散歩がてらふらりと訪れて焼き立てのパンを買える、地元の人が羨ましくなりました。
ふぁんぱん
住所:東京都世田谷区若林4-27-9
営業時間:7:00~18:00 ※2020年5/6(水)まで8:00~17:00
定休日:月曜
公式HP:https://twitter.com/fanpan_info
後編では、サンドイッチが人気の八百屋や、2018年末にオープンしたパン屋さん、フレンチレストランが手掛けるベーカリーをめぐります。お楽しみに!
前編はこちら:【世田谷線パンさんぽ】「ラ・ブランジェ・ナイーフ」と「ピーターセン」へ
※営業時間や税抜き価格、パンの焼き時間など、記事内の情報は取材時点(2020年2月)のものです
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、お出かけの際は各自治体が発する要請への協力をお願いします。また、緊急事態宣言により、紹介しているスポットを平常通りに利用できない場合もあります。必ずホームページや電話などで事前に確認をお願いします
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執筆者:斎藤 若菜
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April 29, 2020 at 09:00AM
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