昨年十月の台風１９号で被災した本宮市のドイツパン工房「ハルツ」は二十四日、約半年ぶりに営業を再開した。社長の伊藤仁さん（６５）は同市出身の歌手伊藤久男さんの父・弥氏が曽祖父で、久男さんの生家の敷地内でパン工房を営んでいる。
台風で店舗が約二メートル三十センチ浸水した。パンを待つファンのために再開への準備を進めてきた。現在販売しているパンは約九十種類。ライ麦パンなど本格的なドイツパンが人気だ。
久男さんの親友で福島市出身の作曲家古関裕而さんがモデルのＮＨＫ連続テレビ小説「エール」の放送に合わせ、久男さんにちなんだ新商品も作った。久男さんの愛称「チャーさん」を取り入れ、「チャーさんのクッキー」「チャーさんのパウンドケーキ」と名付けた。箱入りの商品には久男さんのイラストをあしらった。
「エール」には久男さんをモデルにした歌手佐藤久志も登場する。仁さんは「皆さんの声や支援のおかげで再開できた。お客さんのためにパン作りを続けたい」と語った。
新型コロナウイルス感染防止のため、消毒液や飛沫感染防止のビニールシート設置などの対策を講じている。月曜日は定休。営業時間は午前九時半から午後七時まで。
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