外食もしづらい巣ごもり生活により一日3食を自炊する人が増えている。一方で料理疲れから、手軽な粉物料理の需要は多いようで、ホットケーキミックスやたこ焼き粉なども店頭から姿を消しており、さらにはパン作りに欠かせない強力小麦粉も売り切れは続いている。
強力小麦粉はグルテンが強いため弾力性がありパンに気泡を閉じ込めやすい。さらにパン作りには小麦粉の発酵を促すイースト(パン用酵母)も必須だが、インスタントドライイーストが売り切れたままのお店も多い。ネットショップを見てもスーパーでお馴染みの日清製粉のカメリアドライイーストの3グラム10袋入りだけでなく、50グラム一袋も「入荷の予定はありません」と表示されたままだ。
インスタントドライイーストが売り切れではホームベーカリーでパンがつくれないと戸惑うユーザーもいるだろうが、そもそも日清製粉で販売しているイーストは国内産ではなくフランス産。パン作りのプロや愛好家も使っているフランス企業、ルサッフル社の製品だという認識がパンづくりをする人の"常識"だ。
ルサッフル社は日本では馴染みが薄い企業だが、同社のホームページによれば、1853年に生まれたルサッフル社は子会社81社世界51カ国に拠点をもち、185カ国で製品を販売している多国籍企業。10万人以上の従業員を抱え、年に22億ユーロもの売上を上げる世界最大のイーストメーカーである。世界でパンの主食化が進む中、注目すべき存在だ。
同社のドライイーストは日本のパンづくり愛好者の間では「サフ」と呼ばれるメジャーな存在。サフは赤色、青色、緑色、金色など複数のパッケージがあり、それぞれ「赤サフ」「金サフ」などと呼ばれている。もっともポピュラーなイーストが「赤サフ」。青サフは赤サフからビタミンCを無添加にしたもの、金サフは糖分多めのパン生地向け、緑サフはピザ用という具合だ。ネットショップでも赤サフは品薄になっており通常より高い価格で取引されている(5月13日現在)。
■日清製粉、輸入先は非開示
しかしなぜ日清製粉ほどのメーカーがフランス産のイーストを輸入しているのか。現在のサプライチェーンの中で、輸入依存にリスクはないのだろうか。そこで日清製粉本部グループに話を聞いた。<>内は日清製粉の回答を編集部でまとめたもの。
――日清製粉のインスタントドライイーストはいつ頃から売り切れなのか。
<先月(4月)くらいから需要が伸びています。やはりご家庭でのパンづくりをするといった用途での需要が大きいのでしょう。イーストに限らずホットケーキミックスのようなご家庭でお子様と楽しみながらつくるものの需要は全体的に伸びています>
――御社で販売されている通常のドライイーストとホームベーカリー用では何が違うのか。
<用途に応じて小分けの容量を変えております。成分について差異はございません>
――インスタントドライイーストの原産国はフランスとなっています。これはルサッフル社のことでしょうか。
<大変申し訳ありませんが、弊社の取引先につきましては非開示とさせていただきます>
――御社が販売しているイーストは「赤サフ」「金サフ」などどれに該当しますか。
<こちらも大変申し訳ありませんが、弊社の取引先につきましては非開示とさせていただきます>
――イーストを国内生産ではなく海外輸入している理由はなぜでしょうか。国内では生産は難しいのでしょうか。
<販売規模、コスト、品質などを総合的に判断し、海外輸入品を販売させていただいております>
――現在、輸入などのサプライチェーンは厳しいと思われますが、在庫は大丈夫か。
<現時点では供給リスクにつながるような事案は発生しておりません>
◇ ◇ ◇
小麦粉については供給に問題はないというが、残念ながらサッフル社かどうかという肝心の回答は得られなかった。日清製粉は製粉メーカーなので、イーストの国内市場規模を考えたら専門メーカーから輸入したほうがコスト的にも安定供給的にも合理的という判断か。
そもそも日本人の主食はお米だし、米余りも長年問題になっているのだから小麦ではなく米を食べればいいという意見もあるが、パンも食べたくなる。国内でもパン用酵母(イースト)はいろいろと作られている。また生のイーストなど、パン用酵母もドライだけではない。この機会にいろいろと試してみるのもいいかもしれない。
(取材・文=平井康嗣/日刊ゲンダイ)
"パン" - Google ニュース
May 14, 2020 at 07:26AM
https://ift.tt/2LupJi9
パン作り増えイースト売り切れ 浮かび上がった多国籍企業(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース
"パン" - Google ニュース
https://ift.tt/2PnpuY1
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
No comments:
Post a Comment