スタートアップや大企業は、植物由来の魚代替食品に関心を寄せている。アトランティック・ナチュラル・フーズ(Atlantic Natural Foods)は2018年、マグロを使わない代替食品であるトゥノ(TUNO)を大豆と酵母、ひまわりの抽出物から開発し、提供を始めた。
インポッシブル・フーズは昨年、植物由来の魚商品の開発に取り組んでいると発表し、グッド・キャッチ(Good Catch)は今年1月、植物由来の海産食品代替品の資金として3200万ドル(約34億円)を調達した。ネスレさえ、ビーガンのツナサラダを発売する意向を明らかにしている。
企業は、シーフード業界の状況とビーガン代替食品普及のトレンドに対応している。海産食品業界は近年、環境への懸念から水銀の不安まで、複数の課題に直面してきた。最近は新型コロナウイルスの流行により、食料品店での商品不足など新たに重圧が生じている。こうした全ての要素が合わさり、消費者は普通のツナではなく植物由来の魚を豊富に使った夕食を楽しむよう促されている。
グッド・キャッチは、報道発表で次のように述べている。
「国連によると、世界の海洋水産資源の90%近くは、現在最大限あるいは過剰に搾取されているか枯渇している。それには、漁業助成金が大きな役割を果たしている。グッド・キャッチはこのような驚くべきデータを鑑み、魚をそのまま海の中に残しておくことができるものが真に持続可能な唯一の海産食品だと考えている」
これは現在、企業が埋めることができる食品業界のギャップだ。植物由来の海産食品代替品は、植物由来肉のドル売上高全体のわずか1%である950万ドル(約10億円)しかないからだ。消費者の関心を引き寄せ味の好みに合わせることができず苦労している企業は、長期的な成長の糧となる可能性がある代替肉市場を追求したいかもしれない。
消費者は健康的な代替策を求めており、植物由来の商品は消費者が挙げるものの中で上位にある。植物由来の魚は必要なタンパク質を供給できる一方安全で、水銀も含まない代替食品だ。また、海産食品の消費に伴う魚の乱獲による関連した罪悪感も減る。
グッド・フード・インスティテュート(GFI)のキャロライン・ブッシュネルは報道発表で、「植物由来の海産食品は、急速に枯渇しつつある水産資源への圧力緩和やもろい海洋生態系の救済、漁網が海洋プラスチック問題に与える影響の緩和、生産に関連した温室効果ガスの排出量削減など、さまざまな環境効果をもたらしてくれる」と述べている。
消費者や企業が考える必要があるもう一つのメリットとして、植物由来の海産食品は常温保存可能にできる点がある。新型コロナウイルスの流行により、家庭で備蓄できて手頃な価格で手に入る、腐りにくい健康的な食品の必要性が示された。植物由来の魚代替食品が、ビーガンのトレンドとしてすぐに消えることはないだろう。
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June 29, 2020 at 10:00AM
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植物由来の魚代替食品 新たなビーガンのトレンドに? - Forbes JAPAN
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