
大畠正吾
大分県宇佐市の食品会社「スターフーズ」(岩井正久社長)が地元産小麦を使い、牛乳と卵の食物アレルギーがあっても食べられる給食用パンを開発した。5月28日に市内13小学校と宇佐支援学校の給食で提供され、初めて食べた子どもたちは「しっとりしていておいしい」と喜んでいた。
このパンは宇佐学校給食センターと協力して作った「まあるいパン」。宇佐平野で育ったパン用小麦「ミナミノカオリ」を原料に、まろやかさや風味を出す脱脂粉乳や卵を使わない工夫をして、ふっくらしたおいしいパン作りをめざした。
試作品作りは今年初めからスタート。給食センターの調理員らも加わって試食を繰り返し、味や口当たりを改善。小麦の香りとほのかな甘みのあるパンが完成した。
同社は地元産小麦を使った冷凍のパンやピザなどの製品に力を入れており、契約農家が約240ヘクタールの畑で育てた「ミナミノカオリ」を調達している。市内の小学生に小麦の種まきと収穫を体験してもらう食育イベントも続けている。
給食用はこうした取り組みの延長だ。開発に関わった久保和菜さん(24)は、「地元産小麦を使ったパンの給食への提供はずっとやりたかったこと。ようやく念願がかなった」と話す。
もう一つの特徴がアレルギー対応だ。給食センターによると、旧宇佐市の小中学生約3500人のうち、32人に食物アレルギーがあり、うち20人が乳製品か卵のアレルギーだという。こうした児童らへの給食は、おかずについては配慮しているが、主食は保護者に対応を任せている。
給食センター管理栄養士の上野恵美さん(32)は「アレルギーのある子にとって、みんなと同じものが食べられるというのはとても意味のあること」と語る。
この日、市立糸口小学校では78人の全校児童にまあるいパンが1個ずつ提供された。子どもたちはパンをそのまま味わったり、ナポリタンやツナサラダをはさんだりして食べていた。2年生の金子夢生(めい)さん(7)は「皮も中もふわふわでおいしかった」。今後、月に1、2回献立に加える予定だという。(大畠正吾)
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