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Sunday, February 16, 2020

ひょうご経済+|経済|人気洋菓子店と牧場 ケーキが紡いだ資源循環の輪 - 神戸新聞

資源循環の実現を喜ぶ(右から)丹波乳業の吉田拓洋さん、エスコヤマの小山進さん、庭師の松下裕崇さん=丹波市青垣町惣持

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 ケーキの切れ端から作った堆肥で飼料用のイネを育て、餌として食べさせた牛の牛乳で再びケーキを作る。そんな資源循環を兵庫県三田市の洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」や、同県丹波市の酪農家らが実現させた。堆肥作りを始めて約1年。できた牛乳を使ったプリンやケーキが昨年12月から店頭に並び、大きな循環の輪が動き始めた。(山路 進)

 看板商品の「小山ロール」など洋菓子の製造過程では、生地の切れ端、果物の皮や種、卵の殻、コーヒーかすなど月に約1トンの生ごみが出る。2003年の開店以来の課題だったが、10年に堆肥製造機を導入。生ごみを堆肥にして三田市や丹波地域の農家らに届け、育てた栗などでケーキ作りを試みてきた。

 ところが、洋菓子の原料に含まれる油脂分の多さなどから堆肥が発酵しきらず、甘い香りが残ることも。まいた畑がカラスやイノシシに荒らされるなどして堆肥の提供先も二転三転し、軌道に乗せられずにいた。

 転機が訪れたのは18年秋。オーナーシェフ小山進さん(56)が、一人の社長と出会った。

 丹波乳業(丹波市)トップの吉田拓洋さん(45)。同社は時間をかけて低温で殺菌し、生乳に近い上質の牛乳を生産する。一方、牛舎「拓ちゃん牧場」も自ら運営し、乳牛約100頭を飼育。牛ふんで堆肥を作り、これを使って近隣約20軒の農家が育てた飼料用イネを餌にしていた。小山さんにとって「10年間探してきた理想の牛乳と牧場」だった。

 店舗で出た堆肥は、同店の庭を手入れする庭師松下裕崇(ひろたか)さん(42)が1~2カ月ごとに牧場へ運搬。吉田さんの堆肥に混ぜ、熟成させてから農家が使う。昨年11月には順調に育ったイネが牛の餌となり、同月末には搾った牛乳が届き始めた。松下さんは「吉田さんの堆肥は完熟で全くにおわない」と驚く。

 牧場の運営と牛乳生産を両立させる吉田さんは、納入が搾乳2日後と他の乳業メーカーより早く、運搬距離が短いため質も保てる。同店では昨年12月に「小山ぷりん」の製造を開始。カスタードクリームにも加工し、ロールケーキやシュークリームにも使う。

 「地産地消だけでなく、商品の質を向上させることもできた」と小山さん。吉田さんは「ケーキなどを通じて自慢の牛乳を多くの人に届けられる。地域で循環の輪が広がり、活性化にもつながれば」と期待を込める。

 兵庫県によると、食料品店で売れ残った野菜や肉などの生ごみを微生物で分解し堆肥にする動きは、県内でも約20年前から広がる。畑で野菜を再生産するのが一般的で、酪農と洋菓子による資源循環の取り組みは珍しいという。

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