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Wednesday, July 1, 2020

なぜ「パン屋で起業」が難しいのか? 2軸で考える「マトリクス思考」の使い方(NIKKEI STYLE) - Yahoo!ニュース

《連載》仕事で差がつく!ビジネス思考法

「こんな会社、辞めてやる!」 サラリーマンでこのフレーズを心の中で叫んだことがない人はいないのではないかと思います。人(組織)に仕えることは苦労が絶えません。まさに「すまじきものは宮仕え」であり、やらないに越したことはありません。 【図解でかんたん】複数の側面から考える「マトリクス思考」 それなら、いっそのこと独立して一国一城の主を目指すのはどうでしょうか。そう思った脱サラ派があこがれる商売が、コロナ禍の前はありました。パン屋さんだそうです。 パン屋の最大の魅力は気軽に開業できるところにあります。最低1人(個人事業主)でも始められ、わざわざ人を雇う必要もありません。お店を借りるスペースも小さくて済み、家賃もさほどかかりません。初期投資が数百万円程度と、貯金を取り崩せば何とかなる額です。 パンづくりの修業も今やそれほど大変ではありません。かつては何年もかかったのが、開業だけを考えるなら、1カ月程度でもできます。そんな人でも、評判の商品が開発できれば、それなりにお客を集めることができます。モノづくりの楽しさが味わえるのも大きな魅力です。 こんな風に、「事業に魅力があるか?」と問われると、パン屋は悪くない商売です。しかしながら、もう一つ忘れてならない話があります。「自分に合っているかどうか?」です。 人を雇わないなら、自分や家族に負担がかかります。朝早くから夜遅くまで、立ちっぱなしの作業が続きます。新しいパンのアイデアを出し続けないと、次なるヒット商品は生まれてきません。接客も大切で、愛想がよくないと務まりません。こういった点を見誤ると後悔する羽目になります。

■異なる2つの側面からで物事を考える

こんな風に、物事を検討する際に、複数の側面から考えないと判断を間違える恐れがあります。そこで登場するのが「マトリクス思考」(2軸思考)です。 脱サラの話で言えば、タテ軸に「業界の魅力度」、ヨコ軸に「自分との適合性」を置き、2軸のマトリクスを設定します。次に、パン屋、ラーメン屋、コンビニ、中小企業診断士、ネットショップ、学習塾など、候補となる事業を図上に置いていきます。 最有力候補となるのは、どちらも高い右上の領域にある事業です(ライフワーク)。適合性が低いと苦労が絶えず(ライスワーク)、魅力度が低いと楽しくても儲かりません(ライクワーク)。もちろん、どちらも低い事業は選ぶべきではありません(ライワーク)。 こうやってマトリクスをつくって考えれば、たくさんの情報やアイデアが分かりやすく整理できます。比較や評価がやりやすくなり、総合的に優劣が判断できます。さらに、新たな共通項が見つかったり、追加のアイデアを思いついたり、発想を広げる役割も果たしてくれます。 2軸の取り方を変えることで、多彩な応用ができるのも大きな利点です。 定式化されたものに、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、アンゾフのマトリクス、重要度-緊急度マトリクス、ペイオフ・マトリクスなどがあります。詳しく知りたい方は、以前の連載「働き方改革のフレームワーク」をご覧ください。

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