特集は、長野県飯山市で農園を営む夫婦です。安全安心な食材にこだわり、パンや総菜の移動販売も好調で、この春から長野市にも進出。「食べることは生きること」と話す夫婦に密着しました。
客：
「これインスタで見て、すごくおいしそうと思って」
やよい農園・滝沢弥生さん：
「ありがとうございます」
毎週金曜、長野市三輪の駐車場の一画で開かれる「移動販売」。パンや総菜が評判です。
常連客：
「1回目のときから大ファンになって。毎週金曜日はおかずを買っています」
「毎週来ています。食パンとその時、気になったパンを2、3点買っていきます」
販売するのは、飯山市で農園を営む滝沢篤史さんと妻の弥生さんです。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「すみません、おじゃまします」
2人が営む「やよい農園」は飯山の山間地にあります。広さは150アールほど。安全安心な食にこだわり、米や野菜を無農薬で栽培しています。米は「アイガモ農法」で。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「食べ物を考えることは、生きることを考えることにつながると思う。食べること、生きること、ちゃんと向き合うと、より一層豊かな人生が送れるのではと思う」
篤史さんは飯山出身。都内のメーカーに勤務していましたが、2011年に転機を迎えます。東日本大震災とふるさとの近くで大きな被害が出た県北部地震。この2つの災害が、食へのこだわりとUターンのきっかけとなりました。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「人生で24時間たたないうちに大きな地震を2回経験した。それが分岐点だったと思います。その後、日本中がパニックになって、納豆1つ買いに行っても買えなかった。そういった経験もあって、売ってないんだったら自分で作るしかないなって」
最初は家庭菜園程度でしたが、3年後には農園を広げ専業農家となりました。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「いいねーこのサイズ。つやつやで」
今、畑では、ぼたんこしょうの収穫最盛期を迎えています。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「信州伝統野菜ということで、この地域だから野菜での個性が出ると思う」
ぼたんこしょうの栽培は2年目。先輩農家の力も借りながら試行錯誤の日々です。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「やり始めて経験が浅いので、こつも何もまだ...。去年は除草がうまく手が回らなかったので、今年は回していきたいなと」
1時間ほどでかご2つ分を収穫。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「加工してもらうように妻に渡します。どんな形になるか僕もきょう聞いていないので楽しみですね」
収穫した、ぼたんこしょうを軽トラに積み…。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「これだけ採れたから」
やよい農園・滝沢弥生さん：
「ありがとうございます」
調理の担当は妻の弥生さんです。
やよい農園・滝沢弥生さん：
「つやもいいし、皮もしっかり厚みが出てきたので、いい感じ。きょうはぼたんこしょうみそを作って夕顔の煮物に添えようと思って」
早速、調理に…。
やよい農園・滝沢弥生さん：
「どうやったらお客さんが喜ぶんだろうなとか考えています」
採れたてのぼたんこしょうを刻み、みそや砂糖と混ぜて、水分が飛ぶまで炒めていきます。
やよい農園・滝沢弥生さん：
「これを10分ほど炒めます。焦げないようにだけ注意して」
『ぼたんこしょうのうまみそ』ができました。
やよい農園・滝沢弥生さん：
「しっかり水分が飛んでいるかと、辛みが出ているか」
篤史さんの実家でも料理を教わり、作る総菜やパンは30種類以上になりました。
ぼたんこしょううまみそを添えた夕顔の煮物に、ズッキーニを乗せた豆乳チーズPIZZA。自家製の米粉を使った米つぶ食パンと塩シナモンロール。200点以上のパンや総菜を車に積み込んで移動販売に出発です。
やよい農園・滝沢篤史さん：
「楽しみです。楽しみであり、間に合わせないと。早く出ないとというプレッシャーもある」
この日、向かったのは長野市。紹介してもらった駐車場で毎週金曜、テントを張って販売しています。
やよい農園・滝沢弥生さん：
「新作でピクルスとズッキーニの肉詰め豆乳マヨネーズ焼きと夕顔のそぼろ煮」
客：
「こっちもらおうかな」
これまではイベントや直売所など飯山市内での販売がメインでしたが、販路拡大でこの4月から長野市へ。SNSなど情報発信をしていたこともあり、すぐに常連客ができました。
常連客：
「優しい味。体にすっとなじむっていうか、おいしいです」
「体に優しい感じの味が一番気に入ってます」
やよい農園・滝沢篤史さん：
「買いに来たくても買いに行けないという声も多々いただいていた。それだけ需要があるならば、自分たちからこっちに来てしまえば、たくさんのお客さまを喜ばせることができるんだろうなって」
この日は3時間ほどの間に、30組以上の客が訪れました。安全な食にこだわって9年。確かな手ごたえを感じています。
やよい農園・滝沢弥生さん：
「家に帰って食べておいしかったっていう連絡も、結構いただいているので。そういったところを裏切らないように作っていきたいし、私は元々、自分の子どもに食べさせていい物しか作らないと決めている」
滝沢篤史さん：
「誰がどんな作り方をしたのか分からない素材を使って製品を作るのが一般的でしょうけど、それが全部目の届く範囲でできているのがうちの良さ。ここの物こそ食べたいという人が増えると思うので、ずっと続けていくという気持ち」
"パン" - Google ニュース
July 11, 2020 at 11:16AM
https://www.fnn.jp/articles/-/61879
パンや総菜が評判！ 農園夫婦の“出張販売” 米や野菜は無農薬栽培 「安全安心な食材を」 - FNNプライムオンライン
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